壁紙を全部はがして貼り直した理由

壁紙を全部はがして貼り直した理由

こんにちは、子ども向け英語指導専門家の中村 香奈子です。

  

さて、今年のはじめに、嬉しいご縁がつながりました。

3年ほど前、教室を大規模にリフォームしたのですが、そのとき施工を担当してくださった方(Aさん)が、今ではお子さんと一緒に英語リトミックのクラスに通ってくださっているんです。

 


先日、Aさんと当時の話をする機会があり、ずっと心の片隅にあった出来事を、ふと思い出しました。

当時、壁紙を一度すべて貼り終えたあとで、Aさんが私にこう言ったんです。

「中村さん、申し訳ないのですが、やっぱりこの仕上がりでは納得がいきません。貼り直してもいいですか?」

  

正直、私はそこまで気になっていなかったのですが、

「この状態では中村さんにお渡しできません」

と、材料から業者さんの手配までを、施工期間内に終わるように配慮しながら、イチからやり直してくれたんです。

  

その姿に、プロとしての誇りと真剣さを感じたのを、今もよく覚えています。

  


実は、最初の業者さんは、3人でとても仲良く、楽しそうに和気あいあいと作業をしていたのですが、仕上がりは、残念ながら納得のいくものではありませんでした。

  

一方で、後にお願いした業者さんは、職人の世界特有の厳しさがありました。

弟子の若い職人さんは、何度も厳しい注意を受けながらも、「はい!」と一言返し、黙々と作業を続ける。

その厳しさは、遠くから見ていて心配になるほどでしたが、そこには信頼と敬意が確かにあって、若者の姿勢にも、師匠のまなざしにも、どこか凛とした美しさがありました。

結果、仕上がりは満点。

今もレッスン室の壁紙は、あのときのままの整った美しさを保っています。

 

このエピソードを思い出して、ふと考えました。

私たち先生と生徒さんとの関係も、これと少し似ているのではないか、と。


生徒さんに嫌われるのを恐れて、本当に伝えたいことを曖昧にしてしまうこともあります。

「忙しかったんだね、宿題できてなくても大丈夫だよ」

と、優しい言葉だけをかけたり、、、

  

でも、本当に相手の未来を想うなら、ときには厳しいことも伝えなければいけない時があります。

  

「ダメなことはダメ」

「時には踏ん張って取り組むことも大切なんだよ」

  

そんなふうに、本気で向き合う。

そこに愛があれば、きっと伝わります。

  

「先生が言うのだから、きっと間違いない」

「先生は、私のためにならないことは絶対に言わない」

  

そんなふうに、生徒さんたちは私たちを信じて、ついてきてくれるようになる。

あのときの職人さんの姿と重なって、改めて指導するということの奥深さを思いました。

  

そして私自身も、日々迷い、模索しながら指導を続けています。

だからこそ、The Teachers’ Roomの「ラウンジ」では、そんな”指導者としての迷い”や”教室運営の困りごと”を、誰でも気軽に相談できる場所をつくっています。

  


まるで、仲間の先生たちと一緒に座って話しているような、あたたかい空間。

時には励まし合い、時には新しい視点をもらいながら、学び合える場所として、ラウンジや勉強会も活用していただけたら嬉しいです。

あなたの想いが、きっと子どもたちに届きますように!